— — トビキリの「ひと言」 — —     カウンセリング談話室  志 村 勝 之
   
 
 日本テレビの特番「はじめてのおつかい」を彷彿(ほうふつ)とさせる一冊の本がある。
幼稚園児270名以上の「名言」を収録した「大人に刺さる園児の名言」(東邦出版)だ。
たとえば、●焼き魚の皮をモグモグ食べながら、「お魚屋さんのお洋服っておいしいよね」(3歳・女児)。●「大きくなったら、なにになりたい?」と聞いた母親に、「ごはん!」(2歳・男児)などなど。そして・・・私にとってのキワメツケの名言は、コレだ!!
「ママは ばぁば、パパは じぃじから産まれたんでしょ!?」(3歳・女児)。
どれもこれも涙が出てくるほどに、抱きしめてしまいたいほどにカワイイ名言の数々。幼年時代の私も、果たしてそんな「大人に刺さる」言葉を使っていたのだろうか?
園児ではないが、最近久しぶりに来訪された20代半ばのOL女性の「ひと言」が、鮮やかな記憶として残っている。彼女は過去に何度も私のカウンセリング・ルームに足を運ばれた方で、「近況報告を兼ねて立ち寄りました」とのこと。
「お仕事、お忙しいですか?」と訊く私に、「いいえ。おかげさまで今は平穏です」として、こう続けた。「ホント、小鳥がチュン・チュンみたいな」・・・。「小鳥がチュン・チュン」かぁ。こんなマンガ的形容句は私の語彙にはない。トビキリに明るくなった彼女を見た私はつい嬉しくなって、心のなかで谷岡ヤスジ・マンガの、あの懐かしいセリフを叫んでしまった。「アサ-!」